胃内バルーン*胃および食道穿孔、膵炎、および過膨張の潜在的リスク(カナダ保健省)

カナダ保健省の安全性レビューで、減量療法における胃内バルーンの使用に関連した胃穿孔、食道穿孔、急性膵炎および自発的バルーン過膨張の潜在的リスクが確認された。

 

胃内バルーンが患者の体重減少に寄与する潜在的な有効性を示すいくつかのエビデンスがあるが、カナダ保健省は、これらの機器に関連する、胃穿孔、食道穿孔、急性膵炎、および自発的バルーン過膨張など様々な合併症を把握している。

 

レビュー時点で胃内バルーンについて有害事象4件(海外2件、カナダ国内2件)がカナダ保健省に報告されていた。


海外
(1)挿入・拡張時の胃壁障害および出血→回復
(2)留置後10日目で穿孔性胃潰瘍→回復


カナダ国内報告2症例
死亡(情報が不足しているため正確な死因を確定することはできない)

 

 

文献レビュー 胃内バルーンに関連した26例の胃穿孔(死亡6例を含む)
ほぼ全ての症例で留置後9日〜5ヶ月で発症(留置後数時間〜22ヶ月)
診察時主症状 激しい腹痛および吐き気
ほぼ全ての症例で緊急外科的介入を必要とした(腹腔鏡または開腹)

 

胃内バルーン療法に関連した食道穿孔
文献 詳細な2症例(挿入時、抜去時)、転帰は回復
海外有害事象データベースでも報告あり(死亡1例)

 

胃内バルーンに関連した急性膵炎17例(文献)
激しい腹痛、吐き気、嘔吐
バルーン挿入後1日〜11ヶ月
ほとんどの症例では内視鏡下のバルーン除去、2例が手術
転帰は全ての症例において回復
膵臓に対する機械的圧力によるものと考えられる

 

 

Intragastric Balloons and Potential Risk of Gastric and Esophageal Perforation, Pancreatitis, and Overinflation

https://healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2019/69610a-eng.php